のんちゃんのり弁の『くさらせない存在』
2010年 05月 16日
子供を保育園に迎えに行くから
午後2時に帰らせてほしい
面接で、そういった母親
結婚したものの
自立できない駄目亭主と別居し
貯金も無く
かといって
自分が したいことを見出せない31歳の小巻
面接担当者は
『数時間働いて 一人前に金をもらおうなんて
あんた、人生なめてません?』と怒る。
夢中で出来るのは
娘のんちゃんに毎朝作る のり弁だった。
偶然幼馴染を通して知った小料理屋 ととや
そこで食べた鯖の味噌煮の美味しさに感動して
弁当屋を開く決意をする。
岸辺一徳演じる ととやの主人が、とても良い。
捨てたくないからって
全部抱えてたら
みんな腐らせてしまうんだよ
お金をもらうのは悪いことじゃあない
趣味じゃあないんだから
悪いのは
お金をもらうことじゃあなく
何もしないのに
もらうことだ
こんな珠玉の言葉を
渋い演技で話す。
そうした言葉が彼女の道筋を照らす灯りとなっていく。
主演の小西真奈美さんは、私はなぜか
『UDON』以降、後姿に惹かれる。
ロケ地の錦糸町近くの町並みに
彼女は しっとりと調和していた。
前述の面接官の言葉・・
それは、誤った日本社会を象徴していると感じる。
社会は、子供がすくすくと育って成り立つもの
子供自体が社会そのものといっても過言ではない。
母親が子供を育てるのに、
なめているなどという言葉をかけられなければいけないような
社会制度では、どうしようもない。
日本は精神と未来において
飢餓状態と言えるかもしれない。
そんなことを考えた。
by arthiropon | 2010-05-16 15:17