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のんちゃんのり弁の『くさらせない存在』

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子供を保育園に迎えに行くから
午後2時に帰らせてほしい

面接で、そういった母親

結婚したものの
自立できない駄目亭主と別居し
貯金も無く

かといって
自分が したいことを見出せない31歳の小巻

面接担当者は
『数時間働いて 一人前に金をもらおうなんて
あんた、人生なめてません?』と怒る。

夢中で出来るのは
娘のんちゃんに毎朝作る のり弁だった。

偶然幼馴染を通して知った小料理屋 ととや
そこで食べた鯖の味噌煮の美味しさに感動して
弁当屋を開く決意をする。

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岸辺一徳演じる ととやの主人が、とても良い。

捨てたくないからって
全部抱えてたら
みんな腐らせてしまうんだよ

お金をもらうのは悪いことじゃあない
趣味じゃあないんだから

悪いのは
お金をもらうことじゃあなく
何もしないのに
もらうことだ

こんな珠玉の言葉を
渋い演技で話す。
そうした言葉が彼女の道筋を照らす灯りとなっていく。

主演の小西真奈美さんは、私はなぜか
『UDON』以降、後姿に惹かれる。
ロケ地の錦糸町近くの町並みに
彼女は しっとりと調和していた。
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前述の面接官の言葉・・
それは、誤った日本社会を象徴していると感じる。
社会は、子供がすくすくと育って成り立つもの
子供自体が社会そのものといっても過言ではない。
母親が子供を育てるのに、
なめているなどという言葉をかけられなければいけないような
社会制度では、どうしようもない。
日本は精神と未来において
飢餓状態と言えるかもしれない。
そんなことを考えた。

by arthiropon | 2010-05-16 15:17  

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