死刑台のエレベーターの4人
2013年 03月 15日
ルイ・マル監督が初めて作った映画。
1958年公開だそうだ。
印象に残っていること
ジャンヌ・モローが夜の街並みを
うつろに歩くシーン
クルマも誰に何を見られ思われようと意に介さない。
今は、手振れしないカメラで街歩きの番組さえあるが
当時の手持ちカメラ撮影で成し遂げた撮影監督アンリ・ドカエは
凄いなと思う。
太陽がいっぱい や シベールの日曜日も彼だ。
マイルス・デイヴィスの音楽・・
ブルーレイで発売されたものを見ると 、鮮やかな音響が
サスペンスの鼓動にもなる。
冒頭から、エレベーターに閉じ込まれるので
もうラストまで、夫を殺す二人の退屈な話かと思わせるが
伏線があって
もう二人の恋人に繋がって
ストーリーは広がっていく。
ラストの
リノ・ヴァンチュラが良い。
そして現像された写真には
殺害された夫の夫人とジュリアンが愛し合っている
証拠がはっきりと映し出されていた。
モーリス・ロネはジュード・ロウに似ているなあ。
だから、リプリーでの役は適役だった。
でも、ドロンの役をなぜマットが演じたのだろうか???
それはさておき
フランスの香りがする引き込まれる出だしと
終焉の爽やかさ
アップやスローやワイヤーや細切れ編集で
驚かせる昨今の映画が
いかに薄っぺらいかを
わからせてくれる秀作だ。
ただ、一言
ストーリーとして
なぜロープを取りに行くときに
守衛に 『ちょっと忘れ物を取りに来た』と言って
片づけることが出来なかったのか???
そこが、ひっかかる。
by arthiropon | 2013-03-15 00:25 | 仏フィルム・ノワール