カテゴリ:アニメーション( 4 )

 

風立ちぬ で提起される あなたの10年

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映画的だった。
アニメと言うより、まさに映画的に流れる映画だった。

ねたばれになるので、具体的には書かないが

生きねば という映画のキャッチコピーだったので
戦争の悲惨なシーンも出てくるかと思ったが、
本当に大切な物だけを描いたと言える。
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CGでズームや回転が計算された画面ではない
手描きのぶれや変形もある・・手作り感豊かな・・作品と感じる。
そうでなければ、戦闘機マニアが喜ぶ、人間の葛藤や生き様がおまけのような
ものになってしまっただろうと思う。
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あなたにはまだ風が吹いていますか?
あなたの10年は どうでしたか?
ジャンニ・カプローニの問いかけに
私は こう答えたい。

Sì. Buon vento sta soffiando.
I prossimi 10 anni
Buon vento sta soffiando.

はい、良い風が吹いています。
その先の10年も そうなるでしょう。
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by arthiropon | 2013-08-06 22:30 | アニメーション  

魔女が飛べなく、絵が描けなくなる時。魔女の宅急便

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1989年(平成元年)7月29日から東映系で公開されたアニメ映画
魔女の宅急便。
翌年頃出たレーザーディスクで見たが
それから20年以上経って出たブルーレイを借りて
あらためて鑑賞した。
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最初観たときと同じく、この映画で最も印象に残ったのは
飛べなくなった魔女のキキが
画家のウルスラという女性のアトリエに泊まるシーン。
角野 栄子の原作には無い場面だが
鮮烈にセリフが残っている。
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魔女も飛べなくなることがあるんだね
絵も描けなくなる時がある・・
描けないときは・・
描いて描いて描きまくる
それでも駄目なときは
描くのをやめて
なにか別のことをする
すると不思議とまた描けるようになるんだよ
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キキは
夢と情熱にあふれて魔女になるが
仕事をもらうのに苦労する
ようやく軌道に乗って やり方が定まって
プロっぽくなると
黒猫ジジの声も聴こえなくなり
飛べなくなってしまう。

これは プロであること と 注文をもらうということを
完全同一視してしまう勘違いから迷い込んでしまう
本当に純粋に絵を描こうとする画家にとって
大きなジレンマの問題だ。

本当のプロ
プロとは何かと問われたら
注文や金の有無を問わず
その精神性
気迫 生き様 四六時中
魂を注いだ作品作りということなのだ。

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ウルスラが描きかけで止まっていた大作・・
20年前は、宮崎さんは凄いな、こんな絵を作中で登場させるなんて
気・・スピリット・・に満ちている
宮崎さんが描いたのかな?
だとしたら彼は本当は 画家志望だったのかな?
などと思ったものだ。

キキが陥った 飛べなくなった現象は
毎日の 決まったこと
目の前にあるものを片づける
繰り返しの日常
鳴れ

いつのまにか最初の情熱や希望という
気 が無くなっていた。
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今回再発見・・いや改めて知ったのは、
この大作が 青森の坂本小九郎先生の指導のもとに
八戸市立湊中学校養護学級の生徒さん13名が制作した
木彫りの 実在する作品だったということ。
これを見た宮崎さんが感銘を受けて、このシーンの絵にしたとのこと。

それを知って より ここで言いたいことにピンとくる。
いわゆるアマチュアが仕上げたこの 気に満ちている作品は
プロフェッショナルだと。

ジジにウルスラが質問する
魔女ってどうやって飛ぶの?

血で飛ぶの と答える・・

湧きあがるようなパッション
体内を駆け巡るような熱い血

そうしたもので私も飛びたい・・いや絵を
描き続けたいのだ。
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by arthiropon | 2013-02-21 09:42 | アニメーション  

トイ・ストーリー3で捨てられるクマ

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昨日、映画トイ・ストーリー3を
ブルーレイDVDで観た。

世界で初めてといっても過言でない
長編フルCGアニメーション映画
トイ・ストーリーは
会を重ねて、3作目になる。

たいていの場合、続編と言うのは
前作を分析し
後ろ向きのヒット狙いの魂胆が丸見えの
駄作に終わる場合が多いが

このシリーズに限っては
多くの鑑賞者の感動を呼んでいる。

アニメを離れて
映画として
問題提起の
人間ドラマとしても耐えうる根っこがある。
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ピンクの大きなクマのぬいぐるみが
屈折した御山の大将になっていたり

現代の ものを大切にしない
壊れたら買えば良い的な
歪んだ世情が見えてくる。

考えさせられる映画でした。
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by arthiropon | 2011-06-17 12:27 | アニメーション  

アニメこその現実感に驚く『戦場でワルツを』

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予告編を見たときから
どうしても見たかった映画を
先日ブルーレイDVDで見ることが出来た。

驚いたのは
アニメなのに 生々しい現実感を感じることだ。
貼り絵のようにぎこちなく少しだけ動く人間のアップがあるかと思えば
建物や背景、出来ことは
その場にいるかのような臨場感がある。

これは、劇中で逸話として出てくるカメラマンの語り口を連想させる。
カメラのファインダーを覗いて見ていた『現実』は
カメラが破壊されて、肉眼で目の当たりに見ることになった『現実』は
あまりに悲惨で 今まで写してきた『現実』とは違うものだった。
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私たちがロイター通信などで見る
戦場の報道映像は、へんに見慣れていて
砂被りもなく、匂いもしないで、対岸の火事となってしまう。

体験した人の生を伝えようとした
この映画は凄い。

何の罪もない人々、子供、家族、動物たちが
無抵抗のままに虐殺される
感性と心と人間性の飢餓

なんという愚かさ

それは教育の問題や
宗教の問題などと
すり替えて逃げることなど出来ないのだ
断じて!
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by arthiropon | 2011-06-08 12:35 | アニメーション