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フリーダは生の痛みと共に絵を描いた

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このところ頚椎の痛みがひどく、首を回すとギシギシと音を感じる。
風邪も治ったと思ったのだが、喉も鼻も未だにすっきりとしない。
中学の頃から負っている持病ペインは、生活するにも絵を描くにも
降ろすことのできない重量荷物だ。

映画フリーダを見た。
フリーダ・カーロの絵は、以前から画集などで見ていたが
正直おどろおどろしい印象で、好きな作品でもタッチでもなかった。
彼女は、私が産まれた前の年(1954年)に亡くなったメキシコの画家。
ドイツ系ユダヤ人移民の父とメキシコ先住民の血を引く母の間に長女として生まれた。
19歳の時に遭遇した不幸なバス事故によって、肩の脱臼、肋骨・鎖骨・背骨・骨盤の骨折、
右足の粉砕骨折、子宮など瀕死の重傷を負ったそうだ。

私の個展を御高覧いただいた方が略歴を見て、こんなことを言われたことがある。
『はあ、岡山県出身ですか?やはりこの暖かい色調と爽やかな印象は、そうした所から来るのでしょう』
私はその時は、随分短絡的で安易な結論で、自分を納得させる意見だなあと感じていたが
画家が、習い事の踏業としてではなく、内面の吐露として作品を作るとき
血と地・・は無意識のうちにでも出てくるものかもしれないと、今は思える。

壁画運動の時流に乗った人気画家ディエゴ・リベラとの結婚は、
手当たり次第にモデルに手を出す彼の無感覚さによって、
2つめの事故となったと劇中でフリーダが叫ぶが、
もしかすると一番彼女の作品の芸術性の高さ、絵に対する真摯な姿勢を認めていたのは彼かもしれない。
フリーダが金属で体を支えられながら、日中に制作するシーンを見て
日中多くの場合出稼ぎをしなくてはならず朝晩と昼の一部で描く自分にとって、羨ましいと感じた。
しかし、人はその一端しか見てとれない。比較は出来ないのだ。

生の痛みを負って制作をし続けたフリーダ・カーロ
私も、さらなる痛みにリング上でダウンしても、起き上がらなくてはならないのだ。
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by arthiropon | 2008-11-16 09:18 | ホームシアター