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おやすみベンジャミン,数奇な人生で信じる『永遠』

d0104438_12255310.jpgベンジャミン・バトン 数奇な人生
3/1ユナイテッドシネマ入間で夜8時から観た

おやすみベンジャミン
おやすみデイジー
互いに、相手が目の前にいなくても いつも『そばに』『心の内奥に』いる・・
永遠はあるのよ・・と語るデイジー

ブラッド・ピットが80歳の老人を演じると話題になったこの映画は
メイクや驚異的な特撮ばかりが注目されがちだが
実は 人間に与えられた命の尊さ、出会いと別れ
大切にしたい思いと、悲しみの数々を
一枚一枚丁寧に描いた、デヴィッド・フィンチャー監督渾身の映画だった。

華麗なるギャッツビーの著者、F・スコット・フィッツジェラルドが
世界大戦後(1920年代)に執筆した短編集の一遍で、
第一次世界大戦から21世紀までのニューオーリンズを舞台にしたもの。
これを、フォレスト・ガンプの名脚本家が豊かに膨らませ、
「奇妙な身の上に生まれた」男が経験する出来事と出会い を167分の物語にした。

膝が痛くて満足に歩けぬ老人から産まれたベンジャミン・バトンの人生は
一般とは逆に、若返りの道をたどる。
単に若返りならば、誰もが望むが、結局は 産まれる前・・つまり死に向かう。
交差して触れ合うかけがいのない人たちの様々な人生と思い出・・
それは豊かさでもあり、時には残酷さでもある。
反対に時間が過ぎていく・・それを意図して作った、息子を戦地で亡くした時計職人
・・・反対に時が進めば、息子は戦地から家に帰ってきてくれる・・・
進んでは行けない方向・・だからこそ時を大切に・・言い換えれば、命を大切に
生きなくてはいけないのだ。

ブラッド・ピットも素敵だが、なんといっても、運命の女性デイジーを演じる
ケイト・ブランシェットが美しい。
その娘となる ジュリア・オーモンドは、サブリナで
ティルダ・スウィントンはフィクサーでも今作でも印象的だった。
彼女が老いてから実行したことと、若者となったベンジャミンが交差するシーンが
何かを始めるのに遅すぎることは無いと 勇気付けられる。
養母クィーニーを演じたタラジ・P・ヘンソンは、この映画の核とも言える・・
人って素晴らしいと思わせてもくれ、「人とは辿る道が違うだけ」という励ましは
彼の道の灯りとなった。
船乗りの親父から反発してアーチストとなったと自認するマイク船長を演じる ジャレッド・ハリスも
良い味を出している。こうした、粗野に見えながら根底に暖かいものとセンチを兼ね備える人物には
どうも私は魅力を感じてしまうのだ。

VFXはタイタニックと同じデジタル・ドメインだが、顔を繋いで貼り付けるコンツアーシステムの導入によって
初めて特撮色を観る人に(比較的)感じさせないで映画化することが出来た。
哀愁の漂う音楽が誰かと思ったら、『ライラの冒険』のアレクサンドル・デプラ だった。
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by arthiropon | 2009-03-06 12:24 | 洋画 映画館