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生まれ出ずる悩みの40年

私が中学の頃の教科書に
一部が掲載されていた
有島武郎の小説。
最初に読んでから、もう40年が経過している。
このとき、直感で
この小説の『君』は 私 でもあるのだと感じた。
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今年になってから特に
残像というのか 何度も情景が浮かび
また 生まれ出ずる悩み が読みたくなった。

高専時代に家出して
持病に悩み 絵を描いていた頃

そして今また 苦境のもとで
重荷をしょいながら
描いている自分

それが今回 再び読むことになった理由だろう。

君よ!

君よ

呼ばれ続けている
悩み苦しむ自分は

歳を重ねてもなお 自分の中にいるのだ。
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by arthiropon | 2010-03-30 12:25 | わたしの本棚 ブックレビュー  

ドイツ3大Bの夕べ アテフ・ハリム魂のヴァイオリン 

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杉並公会堂 小ホールで
昨夜(2010.3.16)

アテフ・ハリムさんの
ヴァイオリン・リサイタルが開催された。

ハリム氏のコンサートは何度も拝聴しているが
驚くのは、同じ曲でも
新たな曲として聞こえるということだ。

それだけではない。

その音楽は

私の魂を揺さぶる・・・

深海から浮かび上がってきた鯨のように
地中深くから込み上げてくるマグマのように

魂を揺さぶる、パッション溢れる演奏なのだ。

それはもう、
ヴァイオリンとか 楽器とか
そういった次元を凌駕して、
私の感性と心に『地響きを』起こしてくれるのだ。

日常の喧騒から逃れるとか
殺伐とした社会で生きている人への癒しとか
そういったこと以上に

私の五感の鬱血(うっけつ)と凝りをほぐし
イマジネーションの世界へと
導いてくれる。

10代で家出して 高専も中退して
絵を描いていた頃
ベートーベンをずっと聴いていた。
くじけそうな自分の気持ちを高めてくれた気がした。
カラヤンやメータより
カール・ベームやフルトベングラーのほうが
心震わされた。
アテフ・ハリムさんがカール・ベームの指揮の元で
演奏した経験があることを知り
嬉しかった。

バッハ、ブラームス、ベートーベンと
演奏は すべて素晴らしかった。
ブラームスの旋律が、ベートーベンへの敬愛から来ていることが
森明美さんから紹介され、興味深く聞いた。
最後のアンコールで、ラフマニノフのヴォカリーズが
私の心に入ってきたときに
麗しい風と香りに満たされた。

はだしのピアニスト?下山静香さんのピアノも良かった。


アテフ・ハリム公式ホームページは こちら です。
本当を求める人は
ぜひ聴いていただきたい。
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by arthiropon | 2010-03-17 18:42 | アテフ.ハリムのヴァイオリン  

ハリーとトント 老いと命への優しい眼差し

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何度も、LDで見た名作映画だが、
NHKでの深夜放送も録画出来ず、
ようやくDVDで出て、早速見た。

誰にでも訪れる 老い と 別れ

ラストシーンの夕暮れの砂浜で、
少年と共に砂遊びを手伝うハリー

11歳(人間なら77歳)で死んでしまった愛猫トント

よく似た猫を抱きかかえるが
二度と飼おうとしない72歳の老人は

明日を担う少年に
優しい眼差しを向ける。

トントが病気で危篤となり
ハリーは 大慌てせずに
動物病院の中で
息を引き取るまで

優しく歌を
うなだれたトントに
唄い続ける。

So Long Kiddo
この言葉が彼の 別れの挨拶

サイモンとガーファンクルの曲で
So Long, Frank Lloyd Wright
フランク・ロイド・ライトに捧げる歌 というのがあるが
So Longは 単に さよなら という以上に
いつまでも忘れない
心に残っているという敬愛の意味もある。

So Long Kiddo
お別れだね 君よ

この思いを、ハリーは
トント以外には向けられなかった。

ニューヨーク市マンハッタンのアパートを
区画整理の為に追い出されたハリー

トントと共に3人の子供に次々に会いに行く途中で出会う
個性豊かな人たち。

ロードムービーの傑作です。
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最初に見たときに印象深かったのは

トントがおしっこだと言って、バスから降ろすシーン
走っていったん逃げてしまう猫を叱る老人だが
『そうか、バスが嫌いか?自由が良いか、わしもだ。』と
抱きかかえる。

それぞれの子供との拘束された同居を
考えていたハリーは このトントに
老いてもなおという潔さを感じたのかもしれない。

音楽がずっと心に残っていた。
ピアノの素晴らしい旋律
老いることの 人生を歩んできたことへの
静かな賛歌とも聞こえるメロデイ

ロッキーの音楽をを作ったビル・コンティとは思えない。

今回は、娘のシャーリーを演じたエレン・バースティン の
豊かで繊細な演技・・エクソシストの母親役のイメージが強いが・・。

そして 昔の恋人ジェシーを演じたジェラルディン・フィッツジェラルドが
素晴らしかった。

もちろん、ハリー役のアート・カーニーは、見事で自然だった。
監督いわく、当時 彼は50代で 70代のハリーを
見事に演じきった・・演技指導は一切していない・・彼は天才だ・・と。
受賞できて本当に良かった。

そして、トントも、猫の本当の飼い主の努力も
この映画を成功させた所以だろう。
映画では、トントを演じた猫は2匹いて
調教(飼い主)は、ラスベガスのシーンで
ハリーが酒を飲むカウンターの隣りで
チョイ役をもらっています。


1974年20世紀フォックス配給映画
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by arthiropon | 2010-03-06 12:14 | ホームシアター