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サラリーマンの詩人 宮沢賢治

宮沢賢治を知らない人は
日本人の中高年の中では 数少ないだろう。

銀河鉄道の夜 や セロ弾きのゴーシュなどは
あまりに有名で

彼が 砕石物に詳しく 石っこ賢さんと呼ばれていた
・・一説によると、秩父長瀞の岩畳を見たことが
彼にとって衝撃的な出会いだったらしい・・・ほどだったことから
生活と農村のために
サラリーマン(サラリーをもらっていたセールスマン)をしていたことは
意外に思えるかもしれない。

・・・一筋と言う言葉があって
プロは 副業を持たないという人もいる

それも一理あるだろう。

しかし
賢治のイメージした詩は 評価されず
生活は成り立たなかった。
さらに言えば、そのサラリーマンとしての収入ではうまくいかない場合
賢治が軽蔑していた高利貸しで財を成していた父親から
援助を求めて成り立っていた時期もあった。

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詩で生計を成していないものが 詩人でないのなら
宮沢賢治は 詩人ではなかった。
意地悪な人が当時いたら
あんたが詩人で才能があれば、周りはほっておかないだろう
と言ったはずだ。

しかし、私から言えば
彼は 詩人の中の詩人であり
プロの中のプロなのだ。

彼は自分の内奥を模索し
独自の視点で 美を探究して
そのために
詩を書き続けた。

そのために・・これが重要なことで
ニーズを模索したり、締め切りに間に合わせるためではなかったのだ。

才能の在る人は 評価されるはずだと考える人は
少なくないし、そうあってほしいが

問題は そんなことではなく
その人が 何をひたすら見つめているかだと思うのだ。

彼の場合は、弟さんと友人たちの
あきらめない尽力で
書いたものが紹介されたことで
周囲に認められる詩人が誕生した。

大事なのは
賢治が書き続けたということだ。


佐藤竜一氏の書いた この本
宮沢賢治 あるサラリーマンの生と死 は
渡しにこんなことを再認識させてくれたのだった。
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by arthiropon | 2010-04-18 11:05 | わたしの本棚 ブックレビュー