オリビエを覆した実話 マリリン七日間の恋
2013年 01月 11日
あのテレビシリーズ『ドーソンズ・クリーク』の幼顔
ミシェル・ウィリアムズが
マリリン・モンローを演じるなど想像すらできなかった。
でも、ここで演じられた『王子と踊り子』のM.M.の彼女は
見事な配役だったと言える。
私は、この映画を見るまで
モンローは
ハリウッドが作り上げたセックスシンボルだと思っていた。
いわば あやつり人形で
その中で、少しでもと演技を
リー・ストラスバーグで勉強していたんだろうと思っていた。
俳優、女優を志す者なら
サーの称号を持ち、自分の名前のタバコさえある
ローレンス・オリビエは
神様的な存在。
映画『マラソンマン』で共演したダスティン・ホフマンは
はじめ緊張して言葉が出なかったのは有名だ。
そんなオリビエのリングへの誘いに
演技指導の女性とマネージャーのみで乗り込んでくるマリリン
彼女の悩みは
オリビエの脚本と監督下の
彼女が演じる踊り子 エルシー・マリーナで
そんな反応を実際するとは思えないこと。
心の底からの演技をしたいのだと
演技の神様にたてつき、いらだたせる。
不安定で純真で、周囲の時間梗塞や
仕切りに無頓着なマリリンは
やはり、ミシェル・ウィリアムズでなくては
この味が出せなかったのではと思ってしまった。
単にセックスアピールできるということだけなら
当時M.M.でなくとも
もっときわどい注文にも平気で応じる女優は
ごまんといたはずだ。
しかし彼女の輝きは
虚飾のベールとレッテルに満ちていながら
真実と率直さを追い求めていたからこそだったのだと
気づかされるようだ。
マリリン・モンローとローレンス・オリヴィエが共演した
1957年の映画『王子と踊子』で
助監督を務めていたコリン・クラークによる
同作の制作舞台裏を描いた著作2冊を基にした作品ということだが
演じたエディ・レッドメインも見事。
さらに、オリビエと同じように ハムレットを演じ続けた
ケネス・ブラナーは、適役だと感じた。
また、いじめられる彼女を助けるベテラン女優シビル・ソーンダイクを演じた
ジュディ・デンチが素晴らしい。
007のMから引退出来て、ほっとしているのかもしれないな。
踊り子を演じたマリリンは
ハリウッドに踊らされていたばかりではない。
彼女『自身』の踊りの輝きは、オリビエをさえ覆す光を放っていたのに違いない。
by arthiropon | 2013-01-11 06:52 | ホームシアター