珠玉の反戦映画 ひまわり
2013年 04月 06日
1970年日本公開の時に見ているのだから
中学生のときだ。
停電の中、再会した二人のシーンで
赤ん坊の泣き声
思わず泣いてしまった記憶がある。
哀愁の名曲・・サウンドトラックLPを買い
その数十年後レーザーディスクも買った。
いまだブルーレイは未発売だが
先日ニュープリント版DVDで
十数回目の鑑賞をした。
なぜ反戦の名作の題名が ひまわり なのか?
それは、この土に大勢の兵士が穴を掘らされ
殺されて埋められて
戦後向日葵の種が植えられて
一面のヒマワリ畑となっている背景があるからだ。
イタリアは同盟を結んだドイツに協力して
約10万人の兵をロシアに派兵した訳で
ほとんどが殺されて、
戦後イタリアに無事帰国できたのは1.2万人のみだったそうだ。
同胞・・同じ人間に対して
このような行為が、残念ながらいまだ一部地域で行われている愚かさ・・・。
極寒のロシアで 自分が壊れてしまったと語るアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)
相思相愛だった彼の
ジョバンナ (ソフィア・ローレン)を見る 哀しみで凍りついた目
駅のホームで ようやく彼を見つけ、駅舎に駆け込み大泣きする彼女
戦地に送り出した同じ駅で 別れの見送りをしなくてはならないジョバンナ
何度見ても 目が潤む。
日本の反戦映画と違うのは
すべての美しさが映画として整っていること。
ヘンリー・マンシー二の音楽は あまりに美しい。
二人の名演と
マーシャ を演じた 戦争と平和のヒロイン、 リュドミラ・サベーリエワの名園
コミカルな 卵やイヤリングのシーン
人間の条件のように
見た後に ただただ気が滅入るのではなく
二人の愛を引き裂く、こんなことはあってはいけないとの
高揚したメッセージをきちんと受け取れる。
ひまわり・・
永遠の名作です。
by arthiropon | 2013-04-06 12:36 | Ⅴ・デシーカ