ライアンの娘の圧倒的な美しさ
2014年 07月 04日
有楽座で、中学の時に友人2人と共に観た。
1971年日本公開だったと思う。
その後、何度かメディアで見たが、画質に満足できなかった。
DVDは、まあまあの画質・・ブルーレイが出るのを待ち望んでいる。
まず冒頭から心を奪われるのは
圧倒的な映像の美しさ。
アラビア・・ジバコに続き、デビッド・リーン監督作品で3度目の
アカデミー撮影賞に輝いた。
もっとも、この映画の舞台になったアイルランドのディングル半島自体が
美しいのだが、登場人物の心の動きまでもとらえているような
素晴らしいカメラワークだった。
音楽も、リーン映画ではおなじみの、モーリス・ジャール。
ロージーのテーマは、こうした映画では珍しく、歌となってシングルカットされた記憶がある。
映像とも完全にマッチしている。
LPも買って、何度繰り返し聞いたものか・・
15歳当時の自分には、ロージーが青年将校に不倫に走ることが
あまり理解できず、歳の離れた夫にも、気持ちが入らなかったが
今は、両者の葛藤や、お互いの愛情の内面が描かれていたことに
気付かされている。
当時から、絵を描くことしか興味が無かった自分は、髪もかまわず
適当に切っていたので
最後の方で、ロージーがリンチされて髪を切られて 島を出ていくシーンを観終わって
髪なんかまた生えてくるじゃない・・切られたことで、そんなダメージを受けて
出て行かなくちゃならないのかな・・なんて
愚かな言葉を吐いたのを覚えている。女性にとって大切なことなのに・・・
なぜ、タイトルが ロージーではなくて、ライアンという人物の娘 となっているのか・・
それがすべてのカギだと言う気がする。
独立運動の気運に揺れていたアイルランドと
ライアンの関わったこと
ロージーの結婚の失敗
それらすべてが 意味があって描かれている。
クリストファー・ジョーンズ・・ジェームス。ディーンに似ているなあと思った。
牧師のトレバー・ハワードがとても良い。
親戚の叔父さんにそっくりなんです。
by arthiropon | 2014-07-04 23:38 | デビット.リーン